2013/02/07

漫画感想)めだかボックス(19)/暁月あきら・西尾維新

久々に面白かっためだか19巻のご紹介。
『久々に』なんて、すっごく失礼な表現だってことは重々承知ですが、最近の展開は個人的に好きじゃなかったんです。それが今回からの新章でまるっと解決されて、好きな話の流れになってきました。
残念ながら僕は未だに、ジャンプ的バトル漫画が好きみたいです。いや全然残念じゃねーけど。

以下、最新19巻のネタバレはありません(これまでの流れを簡単に振り返るようなことはしてます)。


フラストレーション

何が気にいらなかったって、最近のめだかボックスはすっかり『スカッとするバトル』から遠のいていたんです。

具体的に言えばここ五巻分くらいの内容(善吉vsめだかの選挙戦以降)は、腕っぷしや技能で争う戦闘はなりを潜め、知能と知識(?)で競うようなゲームが多くなっていました。
それだけならまだしも、『負けるが勝ちと思ってたらやっぱり負け』だった赤黒七並べブラッディセブン然り『勝ちとは何か考えよう』な真・フラスコ計画然り、勝利の定義からあやふやな感じに。
これじゃスカッとしないです。


15巻より 

なんだよまだるっこしいなぁ、ぶっちゃけ話し合いなんてフリだけにしてあっさりバイオレンスに訴えて相手を再起不能リタイアに追い込めばそれで良いのに(←もちろん漫画の中だけの話)ってな風に僕は感じていたようです。

極めつけは漆黒宴で、バトル的展開すらも『スタイル』なる謎の概念でひっくり返され(そういう新しい要素って説明自体が楽しいもんじゃないの?)、最後は人質をとられての心理戦とか、長い目でめだかちゃんの成長を捉えるなら重要な要素に違いないんだけど単純なバトル漫画としては物足りないと言う他なかったのです。
スタイルって単語の初出は多分コレ。なんと14巻ですよ…。
漆黒宴編に入ってもなんだか良く分からないまま話は進む
めだかちゃんが生徒会長でなくなって以降は彼女自身+安心院さんが無敵モード過ぎて、通常のバトルだと良くあるハイパーインフレを避けられないから、ってのもあったんでしょうけど。
良いんですよハイパーインフレで。最強の主人公達が最強の力を発揮しない所を見てるなんてイライラが募っちゃいますもの(色々ネタにされた安心院さんのスキル連発ページも僕は好きだし)。

ある意味伝説のページ
最新刊にも似たようなコマ有り
少年漫画誌で連載中なのに少年漫画に対してアンチテーゼを提示し続ける、そういう西尾氏のひねくれた姿勢は寧ろ好きな部類だった筈なんですが、定番って意味でのベタを外し続けると読んでる側が疲れるみたいです。

強敵は必要

前フリが長くなりましたが、そんな心配はもう無用。19巻では『全力の安心院さんがあっさり負ける』と言う、何それ怖いな展開がやってきました。僕はこういうのを待ってた。
一部の層に分かりやすく言うと、

懐かしい
みたいな圧倒的実力差、絶望感と無力感、そういう敵が現れやがってくれました。バトル漫画はこうでないと!
またぞろ修行編になりそうでもありますが、いい加減『スタイル』とやらをほんの少しくらいは説明して欲しいので丁度いいかもね。

そういえば『スタイル』についてはちょっとしたヒントがあって、


先掲の画像の左下部分を拡大
『愚行権』デビルスタイル『善行権』エンゼルスタイルにそれぞれスタイルというルビがふられています。こういう細かいの大好き。普通『権利』という単語をスタイルとは読みませんから、何かあるのかなって。


バトル的展開としては今回の敵がラスボス級(めだかちゃんを越える主人公度)ではありますが、やっぱりラストは禊ちゃんとガチンコでやって欲しいなぁ。

以上、ここ5~6巻分の感想とおさらいでした。

ちなみに、あえてルビは振りませんでしたが、『安心院さん』は『あんしんいんさん』と読みながら書いています




※本投稿中にある漫画の画像は『めだかボックス』および『ダイの大冒険』からの引用であり、著作権は元の著者のものです。ネタバレを防止する為および引用箇所を明確にする為の加工は引用者が施したものです。

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