2012/12/02

ゲーム感想)レイトン教授vs逆転裁判/レベル5&CAPCOM

待ちに待った、逆転裁判の新作です!!!!!
と言うとかなり語弊がありますが、ナルホド君を操作できるのは本当に久しぶりなので、逆裁ファンには既に手に取った方も多いと思います。


早速クリアしましたので、ざっと感想を。ネタバレはありません。


古い世界の戸惑い

弁護士の仕事で英国ロンドンにやって来たナルホド君と真宵ちゃんは、とある少女の弁護をすることになります。
その少女が大事そうに持っていた本には、『"創造主"が書いた物語がすべて現実になる』というお話が書かれていました。そして二人は、その本の中に吸い込まれたとしか思えないような不思議な世界を訪れることになります。

一言で言うと、中世ヨーロッパ的な世界です。そこでは魔女裁判が行われており、魔女とされたものは"火刑"に処されてしまいます。

そんな世界でもやっぱりナルホド君は容疑者の弁護を務めることになりますが、困ったことが一つ。
ここには指紋も声紋も、写真も監視カメラも、さらには時計すらも存在しないのです。そういう技術が無いのはもちろん、住人達はそうした知識自体を持っていませんから、そもそも話が噛み合いません。
どうする成歩堂!

新鮮な心地よさ

複数の人間が同時に証言台に立つという、現代の司法ではありえない事態も、ここでは常識です。
しかし、『Aさんの証言を隣で聞いているBさんがおかしな素振りを見せたのですかさず追及』とか、証言同士がムジュンするといった新鮮な形で、裁判パートに深みを与えてくれます。
科学や物証が頼りにならない分、証言がこれまで以上に重みを持つ世界なのです。

本作では何度か、『そう言ってはいるけど物証が弱いよね』と思える場面もあるんですが、そこはみんな(弁護士も検察も裁判長も)が証言を信頼して前に進みます。
言葉が人と人を結びつける力が現代よりも強いというのでしょうか。そういう心地良さがこの世界には感じられます。

結構ムズかしい、ような

ファンには今更ですが、逆裁シリーズで起こる事件はただ犯人が被害者を殺して、という単純なものではありません。犯人にとって不測の事態が起こってしまったり、犯人も知らない事実やカンチガイがあったりと、真相はくねくねと折れ曲がった細い道の奥に隠れていて、なかなか姿を見せてくれません。
苦労して真相に辿りついてみたら、『結局アレってなんでだったっけ…』みたいに忘れてしまうことすら珍しくありません。

これまでの逆裁シリーズは、一つの事件に三日前後の時間をかけていました。
調査→裁判→調査→裁判…という流れの中で事件のあらましを繰り返し『おさらい』してゆくので、まだ優(|易)しかったと思うのですが。

本作の魔女裁判は、全て、一晩で決着します(!)
逆転裁判に初めて触れる方は特に、混乱しやすいかも知れません。もうちょっと、事件の概要を振り返れるようなシステムがあった方が親切だったと思います…。
逆裁1~3をやって慣れてからの方が入りやすいかも知れませんね。

  

同志達(逆裁ファン)へ

僕は『買い』だと思ってます。面白いですよ。

上記のように調査パートがありません(探索パートは主にナゾ解きの時間)が、物証がモノを言う裁判ではないのでさほど問題ありません。
裁判はちゃんとボリュームがありますし、巧舟さんなのでシリーズファンの方をガッカリさせることはないんじゃないかと。

しかし、キャタツとハシゴについての会話が無い(僕が発見できてないだけ?)ようなので、そこは非常に残念ですね!

レイトンファンの方へ

僕はレイトンシリーズをさほどやり込んでいないので推測ですが、恐らくは『ボリューム不足』を感じるのではないでしょうか。単純にナゾの数が少ないのです。
隠されたナゾも含めて一通りクリアしましたが、僕が発見したナゾの数は僅かに69。キリが悪いので70はあるかも知れませんが、80とか90は無いと思います。
これまでのレイトンシリーズは150前後あったらしいので、ナゾに飢えている方には足りないかも知れません。

感情移入◎

シナリオについての感想で結びとします。

人の記憶はあてにならないものです。自分に都合良く改変してしまうことなどしょっちゅうです。
逆に、それを指摘される機会というものは少ないので、気付かぬまま過ごす方が普通な位です。

でも、『どんな時でも真実を明らかにすることが一番大事』という宗教には僕は全然心魅かれません。知らぬが仏な事例は幾らでもありますから。
フィクションの世界も同じだと思うんですが、物語の登場人物はたいてい、何の迷いもなく真実を明らかにしますよね。

本作の隠された真実も。
それがオープンになる前の時点で、段々察しがついてきましたが…

『それ明らかにしちゃって良いの?しない方が良くね?え、本当に暴くの?』

と、ヒヤヒヤしながらお話を進めました。
暴いて欲しくないと思う一方で、ナルホド君やレイトン教授がナゾをナゾのままにしておけるキャラクターじゃないのも良く分かっています。

「やめろ!はっきりさせてどうしようと言うのだ!」

と抗弁したキャラクターにすっごく感情移入。
そのキャラクターが作り上げたものに、プレイヤーも愛情を感じると思います。そんなお話でした。

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