2012/01/05

漫画感想)バクマン。(16)/小畑健・大場つぐみ

今月も平丸さんに萌える時間がやってきました。バクマン。最新刊の感想。


平丸&吉田コンビは良い。最近はユリタンこと蒼樹さんや中井さんも絡んできて、それはそれで楽しい。
でも最近、この漫画の本筋が進んでいないように、思う。以下ネタバレありあり。


Overview

この巻で起こった事をざっくりまとめてしまうと、以下のようになる。
  • CROWが1位を連続で取り始めて…
  1. エイジはCROWを大人気のまま終わらせると宣言、編集長も渋々承諾
  2. サイコー達(福田組)はライバルの勝ち逃げに納得せず
  3. エイジ「CROWが終了までに1位から陥落したら終了を撤回する」と約束
  4. エイジvs他全員のバトル風展開に。各員CROWに全力で追いすがる。
  5. 結局CROWは最後まで1位のまま終了。エイジ格好良い。男達の熱い友情。
  • +NATURALが不調で凹んでる岩瀬を励ますなど
  • 新キャラ、新エピソード(七峰くん復活編?) 次巻へ続く。
本筋はどこだ?

この漫画の本筋・話の縦糸は何なのかっていうのは、人によって見方が違う気もするし一本だけでもないだろうけど、僕は「サイコーと亜豆の進展」が中心だと捉えている。そして16巻ではそこら辺が殆ど進まない。
バクマン。の魅力の一つに「展開が早い」ってのがあった(1巻〜2巻を読み返すと物凄いスピード感だ)が、最近はそれが無い。その原因は明らかにキャラを増やし過ぎたせいだ。この上さらに新キャラを出そうとしている。むーん。。。

CROW終了編は面白かった。各作家それぞれ1位を取るために全力を尽くす下りは熱くなった(※)。
新シリーズも、サイコーのおじさんに対する気持ちとか、裏で糸をひいてるっぽい人物(七峰君?)の正体とか、面白そうだとは思う。
けど、これらは単なる「脇道」になってしまってはいないか?ちゃんと縦糸と絡んでいないと横糸とは呼べないんじゃないか?エイジにはCROWを格好よく終わらせておいて、この漫画自身は人気が落ちるまで連載を続ける、自分で落とし所を見つけられない漫画になっちゃってはいないか?

※主人公コンビはもうちょっと頑張って欲しかったぞ!Σがなんだかしょぼいぞ!

以下は、エイジがCROWを終わらせると宣言した後のジャンプ編集部の騒ぎ。編集者同士が様々な考えを述べている。

「CROWを終わりに?」
「だから駄目だって言ってるんだ会社の利益的にも…」
「いや僕だって終わらせたくないですよ」
「いや作家が終わらせたいというところで終わらせてあげた方が作家や作品のためだと僕は思いますけど」
描くのは作家なんだし作品は作家のものと考えればそうなのかもな」
「甘いな!商業誌に載ってる時点で作品は作家だけのものじゃないんだ」
(一部略)
「こういう時担当は作家のために動くべきなのか会社の利益を考え動くべきなのかって事ですよね所詮サラリーマンなんですし…」

「何を言っているんだ会社のためなんて事以前に新妻くんのためにも『CROW』はまだ描かすべきだ(一部略)作家の好き勝手にやらすだけが作家の為になる訳じゃない何のための担当だ作家の能力を最大限に引き出せ(一部略)より魅力ある!より読者に喜んでもらう雑誌作り!編集者としての原点に戻り考えれば………『CROW』を終わらすなんてありえない!!

ー「バクマン。(16)」P54〜55より

僕は一読者に過ぎないし、それも雑誌では読まずにコミックスだけ読む派だから、連載が長く続く事は別段魅力ではない。下手すると減点ですらある。
短い話は短く終わるべきで、長さに必然性があるなら長く続くべきだ。簡潔な話を薄く引き伸ばすのも、長大な物語を短く詰め込むのも、どっちも作品の魅力を損なうと考える。

島本和彦先生の「新吼えろペン」に「最後のふろしき」という、ネットでも割と引用を見かける人気の回がある。三人の漫画家が最終回について話し合うというものだ。長くなるので引用はリンク先のページに任せるけど、漫画家同士でもポリシーはバラバラだと要約しておこう。


僕は、富士鷹ジュビロ…もとい藤田和日郎先生の作品が好きだし、バクマン。の中でいうならCROWみたいな終わり方をする漫画の方が好きだ。DEATH NOTEもそういう点で大好きだ。
んでもって、その基準から「バクマン。」は離れつつあるようだ。非常に残念に思う。

安定の…

それはそれとして、平丸&吉田は魅力的だ。

先ず、上に引用した編集者同士の会話だが、最後の長台詞は吉田氏のものである(本当はもっと長い熱弁だ)。「作家の好き勝手にやらすだけが作家の為になる訳じゃない」「作家の能力を最大限に引き出せ」って…吉田氏がいうと、含蓄というか実体験というか、説得力があるよね!頑張れ平丸さん。全然好き勝手やらせてもらえない平丸さん。

許せ平丸…これもキミのネガティブを継続させる愛のムチ

ー「バクマン。(16)」P15より

吉田氏は敏腕だなあ。
更に平丸さんにやる気を出させる為に、「平丸が1位をとったら蒼樹さんが願いを叶えてくれる」という流れにもって行く。その流れで平丸さんが求めた願いは…。
これは平丸さんがピュアで可愛すぎるので是非お買い上げの上ご確認下さい。

こう書くとまるで吉田氏が一方的に平丸さんを騙して使役しているみたいだけど、この2人はがっつり信頼関係が出来ています。

「し…しかし本当に上手くいくんですか…?何か騙されているような」
「吉田氏に騙されていれば間違いない それは僕が保証する」

ー「バクマン。(16)」P179より

騙されている事は自覚した上でその結論になるとは素晴らしい。
でも平丸さんが蒼樹嬢と上手くいったのは、吉田氏の仕込み以上に平丸さんが頑張ったからだと思うけどねえ。
だから中井さんは吉田氏がプロデュースしても難しいんじゃないかな。


他、萌えたり笑ったりしたポイント。
  • 綺麗な中井さんwwwww
  • 平丸さんの部屋に蒼樹さんの写真らしきもの…これ隠し撮りじゃないよね?
  • 蒼樹さんの「もーっ!」は本当に可愛いな!
  • 平丸さんだけお疲れ様コメントの趣旨が違うwww
次巻も買うとは思うけれど、本筋進んで欲しいなあ。

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