2011/07/27

AndroidはLinuxの轍を踏むか

Androidが好調である。スマートフォンでもタブレットでも、iOSの売上を追い抜くのも時間の問題だとする記事も見かける。
しかし、特許問題という大きな爆弾が控えている。

AndroidのベースとなっているLinuxも、以前にマイクロソフトから特許権侵害で(たびたび)訴訟を起こされている。

マイクロソフト:「LinuxとFOSSは当社の特許235件を侵害」

残念ながらこの教訓は活かされなかったようだ。Androidも同じ轍を踏む事になりそうである。


vs Microsoft
マイクロソフトがモトローラを提訴、Android携帯電話による特許侵害で

vs Apple
HTCがAppleに黒星 特許訴訟がAndroidの足を引っ張る?

こうした訴訟を起こされたからといって、即座にAndroid端末が使えなくなったり売られなくなったりする事はない。
しかし、訴訟の顛末によってはAndroidを一台売るごとにベンダーはマイクロソフトに対して特許使用料を払わなければならない――といった事態は考えられる(一部では既にある)。こうした費用がベンダーにとって大きな負担になれば、Androidは勢いを失ってしまう。

特許の仕組みは、業界で先行した企業が将来の競争相手を排除するのに最適な方法の一つである。後発組――この場合はAndroid陣営――は、先行者が敷いた道の上を走る通行料を負わせられる。
この制度はそもそも先行者利益を保護するもので、寡占状態を促進しやすい危険性があるが、ものがソフトウェアとなると問題はより大きくなる。

(余談。「将来の競争相手を排除する」とはビル・ゲイツ氏の発言だとずっと思い込んでいたが、そうではないらしい。なんでも調べてみるものだ)

プログラムにある種の問題を解かせようとする時、最適なアルゴリズムは一つとは限らないが、そんなに無数にあるわけでもない。後から開発する者が、本当に自分の頭をひねった結果、偶然にも先行者のやり方と一致してしまう事態は充分にありえるのだ。

特許検索を使え?事前に取得済みの特許を確認して、それに触れない範囲でプログラミングをしろ? 不可能だ。 ある程度以上に複雑な、例えばOSのようなプロダクトをつくろうとしているならば。マイクロソフトも、そしてアップルも、考えうる限りの特許はもう取り尽くしてあるのだから。

かといって、Android陣営に同じ手段はとれない。後発だからという理由もあるし、彼らが掲げるオープンソースという理念もある。これは特許の考え方とは真っ向から食い違うものだ。

無策で戦い続ければ、Androidがどんなにいい製品になっても、寧ろいい製品になればなるほど、多くの特許を侵害するリスクが増え、先行陣営に利する結果にもなりかねない。何らかの方針が必要だろう。

こんな話もある。特許は戦争に近い。

大手メーカーの特許戦略はぬる過ぎる


特許切れ?特許切れだと?あのソニー・ボノ法の国で?
アメリカでは、1995年以降に出願された特許の有効期限は20年だそうだ。つまり最初の期限切れは2015年に起こる。その前に、特許の有効期限を伸ばす法案が成立したところで、僕は驚かない。だから、特許切れに期待するつもりもない。

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